イロハモミジ

京都毘沙門堂 勝林寺と申します。
今回は勝林寺の境内に生えているイロハモミジ・ヤマモミジ・オオモミジの内の1本を御紹介いたします。
数年前に仲間入りしました、このイロハ紅葉が早くも紅葉をはじめました。
イロハモミジは樹高 15m、幹の直径は 80cm 以上に達します。雌雄同株で葉は長さ 3.5~6cm、幅 3~7cm で、掌状に深く 5~9裂する。和名は、この裂片を「いろはにほへと……」と数えたことに由来します。裂片の縁には鋭く不揃いの重鋸歯があり、裂片の先は長く尾状に伸びる。秋(10~12月)には黄褐色から紅色に紅葉して散ります。 葉はオオモミジやヤマモミジなどに似ていますが、本種の葉は一回り小さく、鋸葉が粗く不揃いなところで区別されます。
花期は春(4~5月)。花は直径 5~6mm。暗紫色で 5個の萼片と、黄緑色もしくは紫色を帯びる萼片より小さい 5個の花弁をもつ。風媒花。
果実は翼果、長さ 1.5cm 程度の翼があり、夏から初秋にかけて熟すと風で飛ばされる。

紅葉のしくみについては、次のように考えられています。
葉に含まれる色素には緑色のクロロフィル(葉緑素)、黄色のカロチノイド(カロチン類とキサントフィル類)があります。量はクロロフィルがカロチノイドよりずっと多いので、黄色はめだたず葉は緑色に見えます。秋、気温が低くなると葉のはたらきが弱まり、クロロフィルが分解されます。そのため、クロロフィルにかくされていたカロチノイドの色がめだって黄色になります。イチョウやポプラの葉が秋に黄色になるのはそのためです。一方、植物は葉を落とすための準備を始めます。葉柄の付け根にコルク質の離層という組織がつくられ、物質の行き来はここで妨げられます。そのため葉の中の物質は茎に移動できなくなり、光合成で生産された糖は葉に留まることになります。紅葉する葉では、この糖から赤い色素アントシアニンができて葉は赤くなります。葉はやがて、離層のところで切り離されて落葉します。
アントシアニンの合成には、温度と光の条件が重要です。1日の最低気温が8℃以下になると紅葉が始り、5~6℃以下になるとぐっと進むといわれています。鮮やかに紅葉するには、日中の気温は20~25℃で夜間は5~10℃になり昼夜の気温の差が大きいこと、空気が澄んで葉が充分日光を受けられることや、大気中に適度な湿度があって葉が乾燥しないことなどが必要です。
さて、今回のモミジ情報はここまでです。
※モミジの種類の違いや東福寺・勝林寺の紅葉情報は順番に御紹介いたしますのでお楽しみに。

勝林寺住職 合掌

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金木犀(キンモクセイ)

京都毘沙門堂 勝林寺と申します。すっかり秋らしくなってまいりました。坐禅をするには良い気候ですね。
今回は勝林寺の境内に生えおります金木犀(きんもくせい)を御紹介いたします。
モクセイ科 モクセイ属
常緑中高木樹
原 産 : 中国南部
開花期 : 9月下旬~10月上旬  です。
キンモクセイはジンチョウゲ、 クチナシと並んで芳香をもった庭木として親しまれています。
花は小さくて目立たないため、その匂いで気づかされます。そしてキンモクセイの花が散ると株元がさながら金色の絨毯(じゅうたん)のようになりますキンモクセイは雌雄異株で、日本に入ってきたのは雄の木ばかりだったそうです。
同属に白花のギンモクセイ、花色が淡く香りが穏やかなウスギモクセイ、ヒイラギとモクセイの雑種といわれるヒイラギモクセイがあります。
キンモクセイの香りは長い間トイレ用の芳香剤として使われていました。キンモクセイは外のトイレ脇に植えられていることが多いです。昔は水洗トイレではありませんでしたから、トイレは匂っていたために植えられていたのではないでしょうか?
水洗トイレになってからでもトイレの芳香剤として使われていたため、実物の花の香りをトイレの匂いとイメージする人も多く、キンモクセイにとってはありがた迷惑な話ですね・・・・。
庭植えのキンモクセイは植え付け後1、2年は木を育てるほうに力を注ぐ傾く傾向があるので花の数が少ないですが、ある程度生長が落ち着けば(2、3年程)花が咲くようになります。挿し木が可能で7月下旬~9月上旬に今年伸びた枝を挿し木します。挿し木してから開花まで5~7年かかるそうですので、苗を購入したほうがすぐに楽しめます。 また、キンモクセイの花は中華料理で色々と使われています。そのお茶は桂花茶。さらにそのお酒は桂花陳酒(白ワインに漬ける)。キンモクセイの花を砂糖とハチミツに浸けたものは桂花醤(けいかじゃんです)。
花言葉は謙遜・高潔な人・初恋・変わらぬ魅力・思い出の輝き・陶酔・真実です。

勝林寺住職 合掌

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吉祥美縁(きっしょうびより)

京都 毘沙門堂と申します。九月に入りましたが毎日厳しい暑さが続きます。皆様体調管理には十分注意して下さい。
今回は勝林寺の授与品の中でも人気がございます吉祥美縁(きっしょうびより)を御紹介いたします。
勝林寺の秘仏吉祥天は女性に美しさと幸福を授けるといわれています。また、毘沙門天と吉祥天は夫婦であり縁結びなど恋愛全般に御利益があると伝わります。吉祥天の持つ宝珠の如き美しい吉祥美縁を授かりし者は、その願いが叶うと云われています。(※巾着袋の柄は数種類あり中には金平糖が入っております。)※金平糖は結婚式や出産祝いで贈られているとてもおめでたいお菓子です。まるで子供を育てるように、目を離さずにじっくりと手をかけて作ることから、「小さいものから育てる」という意味が込められ、昔からお祝い事などに用いられております。

最近、吉祥天の御加護を求め吉祥天お守り(美守り)を買われる方・座禅体験・写経体験の前後に良縁(恋愛成就)の御祈祷をされる方がかなり増えております。良縁を求められる方は吉祥美縁・美守り・御祈祷にて吉祥尊天の御加護をお授り下さい。

勝林寺住職  合掌

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高砂百合(タカサゴユリ)

京都 毘沙門堂勝林寺と申します。今回は勝林寺の境内では今が見ごろの高砂百合(細葉鉄砲百合)を御紹介致します。
高砂百合(タカサゴユリ)は台湾原産で、沖縄の方言などで台湾を指す言葉「タカサング」から名付けられたいわれます日本へ種子が入ったのが大正12年。旺盛な繁殖力のために、今では西日本を中心に広く野生化しているようです。鉄砲百合(テッポウユリ)に似ていますが、鉄砲百合と比べて、葉が細い、花が細長い、花の外側が淡い紫褐色を帯びている、花期(8月)が少し遅い(テッポウユリの自然開花は6~7月)などの違いがあります。テッポウユリとの交雑で、両者の長所を併せ持つ「新テッポウユリ」という品種も作られているそうです。高砂百合(タカサゴユリ)は種子で繁殖します。花が終わると1輪につき1本、長さ10㌢ほどの細長い莢(さや)が出来ます。莢の中は6列に分かれていて、1列につき100~200個の種子がぎっしりと詰まっています。晩秋になると莢がはじけて種子が放出されます。種子はポテトチップスのような形で、風で運ばれます。ユリの中では最も成長が早く、条件がよければ実生(発 芽)から8ヶ月程度で開花します。 花言葉は「純潔、飾らぬ美」です。

勝林寺住職 合掌

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ゴーヤ

京都 毘沙門堂勝林寺と申します。
前回の曜白朝顔に続きまして勝林寺 本堂西之間で緑のカーテンとして活躍中のゴーヤを御紹介致します。
ゴーヤの原産地は熱帯アジア。つる性の一年生草本。比較的病害虫に強く、日照と気温と十分な水さえあれば、肥料や農薬はほとんど使わなくても収穫ができ家庭菜園の作物にも適しています。成長すると長さ4~5mになり果実は細長い紡錘形で長さ20~50cm、果肉を構成する果皮は無数の細かいイボに覆われ両端は尖り未成熟な状態では緑、熟すと黄変軟化し裂開します(収穫しても、常温で放置しておくと同じ状態となる)。完熟した種子の表面を覆う仮種皮は赤いゼリー状となり甘味がでます。腐敗しているわけではなく食すこともできますが、緑の時のような歯ごたえのある食感は失われます。元来野生状態では、この黄色い果皮と赤くて甘い仮種皮によって果実食の鳥を誘引して種子散布を行っていたものと考えられています。
実を細かく砕いて焙じたものはゴーヤー茶として、細かく切って干した物を切干大根のように戻して煮物に使うこともできます。
他にもゴーヤの八丁味噌和え・薄く切りサラダとして・・・など調理方法が多いのもゴーヤの魅力の1つです。
勝林寺住職 合掌

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