唐橘(百両)

京都毘沙門堂 勝林寺と申します。
今回は2010年勝林寺秋の特別拝観で寺宝の説明をしてくださるガイドさんからいただきました百両を御紹介致します。
百両はヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑小低木です。
本州の茨城県から沖縄にかけて分布し、林の中に自生します。
海外では、台湾や中国にも分布しています。
本来は唐橘ですが別名を百両(ヒャクリョウ)ともいい、おめでたい木とされています。
古典園芸植物の1つで江戸時代に改良が進み、100種もの品種が生み出されたらしいです。
寛政年間には価格が高騰して売買禁止令も出されています。
「カラタチバナの取引価格が百両以下にはならなかったために『百両』と呼ばれることになった」との記述もあります。
樹高は30~50センチくらいで幹は直立するが、万両(マンリョウ)のように上部で枝分かれをしない。
葉は細くて大きな披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。
葉には短い柄があり、縁には波状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は7月です。
葉の脇に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、淡い黄を帯びた白い花をまばらにつけます。
花弁は5枚で下向きに咲き、花弁の先が反り返りる。萼片は5枚、雄しべ5本、雌しべ1本です。
この花が橘(タチバナ)に似ているというのが名の由来です。
花の後にできる実は球形で、9~10月ころに赤く熟し、翌年まで落ちません。
実が白いものや葉に班の入った園芸品種もあります。
縁起物ですので是非皆さんも育ててみてはいかがでしょうか?

勝林寺住職 合掌

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