十牛図 第一話 「尋牛」

京都 東福寺塔頭 毘沙門堂 勝林寺と申します。
久しぶりの更新となります。
気がつけば緑も濃くなってきております。
気温も一気に上がり30℃を越える日も・・・皆様熱中症には十分気をつけて下さい。
さて、先月から坐禅会にて初めました「十牛図」のお話です。

十牛図とは?
十牛図とは人間が本来持っている仏性、真実の自己を牛に喩え、路頭に迷う童子がやがて「聖なる笑い」へ至る為の修行の道程を 十枚の絵に表したものです。
「十牛図」には、一頭の牛が登場します。牛は普段はおとなしく、物静かでありながら、あばれると非常に強く、手がつけられなくなります。その姿はまるで、人間の心の様子に似ています。自分の牛を探し求める、つまり自分の本当の心を探すところから、物語は始まります。

十牛図 第一話 「尋牛」


従来失(しつ)せず、何ぞ追尋(ついじん)を用いん。   
背覚(はいかく)に由(よ)って以(もっ)て疎(そ)と成り、
向塵(こうじん)に在って遂に失す。
家山漸(ますます)遠く、岐路俄(にわ)かに差(たが)う。
得失熾然(しねん)として、是非蜂起(ほうき)す。


頌(じゅ)とは?偈(げ)や偈頌(げじゅ)とも呼ばれますが、韻文のこと。
とくに仏教のお経や論文(論書)の中に出てくる詩の形式で表現した教えや論述をさしてそう呼びんでいます。

茫々(ぼうぼう)として草を撥(はら)い去って追尋(ついじん)す
水闊(ひろ)く山遙(やまはるか)かにして路(みち)更(さら)に深し
力尽き神(しん)疲れて覓(もと)むるに処無し
但(た)だ聞く楓樹(ふうじゅ)に晩蝉(ばんせん)の吟ずることを

内容は坐禅会に来られた方にはお話しております。
是非、勝林寺座禅会「虎嘯」にも御参加お待ちしております。

勝林寺住職 合掌

カテゴリー: 禅語   パーマリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>