京都毘沙門堂 勝林寺と申します。すっかり秋らしくなってまいりました。坐禅をするには良い気候ですね。
今回は勝林寺の境内に生えおります金木犀(きんもくせい)を御紹介いたします。
モクセイ科 モクセイ属
常緑中高木樹
原 産 : 中国南部
開花期 : 9月下旬~10月上旬 です。
キンモクセイはジンチョウゲ、 クチナシと並んで芳香をもった庭木として親しまれています。
花は小さくて目立たないため、その匂いで気づかされます。そしてキンモクセイの花が散ると株元がさながら金色の絨毯(じゅうたん)のようになりますキンモクセイは雌雄異株で、日本に入ってきたのは雄の木ばかりだったそうです。
同属に白花のギンモクセイ、花色が淡く香りが穏やかなウスギモクセイ、ヒイラギとモクセイの雑種といわれるヒイラギモクセイがあります。
キンモクセイの香りは長い間トイレ用の芳香剤として使われていました。キンモクセイは外のトイレ脇に植えられていることが多いです。昔は水洗トイレではありませんでしたから、トイレは匂っていたために植えられていたのではないでしょうか?
水洗トイレになってからでもトイレの芳香剤として使われていたため、実物の花の香りをトイレの匂いとイメージする人も多く、キンモクセイにとってはありがた迷惑な話ですね・・・・。
庭植えのキンモクセイは植え付け後1、2年は木を育てるほうに力を注ぐ傾く傾向があるので花の数が少ないですが、ある程度生長が落ち着けば(2、3年程)花が咲くようになります。挿し木が可能で7月下旬~9月上旬に今年伸びた枝を挿し木します。挿し木してから開花まで5~7年かかるそうですので、苗を購入したほうがすぐに楽しめます。 また、キンモクセイの花は中華料理で色々と使われています。そのお茶は桂花茶。さらにそのお酒は桂花陳酒(白ワインに漬ける)。キンモクセイの花を砂糖とハチミツに浸けたものは桂花醤(けいかじゃんです)。
花言葉は謙遜・高潔な人・初恋・変わらぬ魅力・思い出の輝き・陶酔・真実です。
勝林寺住職 合掌